…相続は男子に限られ,その家督を相続する者がいないときには一家がつぶれ,多数の家臣やその家族が職を失うことになったので,侍妾のいることは道徳的にも非難されることではなかった。大名の嫡子は元服が過ぎると,藩の経費のうちから合力米などの名目で別途会計となる。大名や高級の旗本では,その相続者に〈母は某氏〉とした者が多く,正妻の所出でない者が少なくないことを示している。…
…各組は大番頭1人(老中支配,菊間詰,諸大夫),大番組頭4人(頭支配,躑躅間詰,御目見以上),大番士50人(頭支配,御目見以上),与力10人(御目見以下,役上下,御抱場),同心20人(御目見以下,御抱場)で編成された。1723年(享保8)の制では,大番頭は役高5000石,大番組頭は600石,大番士は200石,与力は現米80石,同心は30俵二人扶持であり,役料は支給されず,そのかわりに在番中はそれぞれに役高の1倍の合力米が与えられた(ただし,1万石以上のものが大番頭になったときには1万石を支給する)。大番は将軍直属の常備軍団の中核をなすもので,戦時には旗本備の先鋒となり,平時には江戸城西の丸,二の丸などに勤番し,市中を巡回して非常の警戒にあたった(回り番という)。…
…役高2万7000石の山里,1万8000石の中小屋,1万石の青屋口,雁木坂各加番から成り,毎年8月に交代。勤番中役高の四ッ物成(租率40%)相当の合力米が給された。駿府加番は万石以上1人(大加番),5000石以上の寄合2人(平加番)の3員。…
…多くは飢饉,火災,水害などの災害時,罹災窮民のいっそうの困窮化を防ぐため,幕府,領主などによって与えられる救助米を指し,人々はこれを敬して御救米と称した。これに対して,民間で行われる救済の救助米は合力米,施行米と称される場合が多い。なお,窮民層の固定化現象が現れる江戸中期以降,災害時に限らず日常時の救済も企てられ,社会的底辺層に御救米が与えられた。…
…領知・知行高がすなわち役高である場合と,これとは別に設定される場合とがあった。この役高に応じ扶持米(ふちまい)や合力米が支給された。例えば1681年(天和1)越後高田城の請取役を命じられた表高(領知朱印高)10万石の越中富山藩主前田正甫(まさとし)は7万石の役高で勤めるよう指示され,105人分の扶持米を受け取っている。…
※「合力米」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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