吉賀郷(読み)よしかごう

日本歴史地名大系 「吉賀郷」の解説

吉賀郷
よしかごう

和名抄」記載の古代鹿足郡鹿足郷を継承する。鎌倉初期以降はもっぱら吉賀郡吉賀郷の名が用いられた。現在の六日市むいかいち町と柿木かきのき村にまたがる地域と推定される。貞応二年(一二二三)三月日の石見国惣田数注文によると吉賀郡の公領内に「よしかの郷 八十四丁七反」とみえる。「荘略覚」(荘園志料)には鹿足郡内の中世初期庄園の一つとして「吉柯庄」があげられており、当地域が庄園化された時期もあったことを推測させる。「吉見記」によると弘安五年(一二八二)吉見頼行が吉賀郡野々のの木薗きその(現津和野町)に入部し、以後野々郷から吉賀郷にかけての高津川上流域を支配したという。しかし、建武二年(一三三五)五月二六日には能登吉見頼隆が吉賀郡志目河しめがわ(現六日市町注連川)をその一族と思われる宗寂に安堵しており(「吉見頼隆下文」前田家文書)、吉賀郷には能登吉見氏の支配が及んでいたと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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