日本大百科全書(ニッポニカ) 「六日市」の意味・わかりやすい解説
六日市
むいかいち
島根県南西端、鹿足郡(かのあしぐん)にあった旧町名(六日市町(ちょう))。現在は吉賀町(よしかちょう)の東半分を占める地域。旧六日市町は、1947年(昭和22)町制施行。1954年朝倉、蔵木(くらぎ)の2村と合併、1956年七日市(なのかいち)村を編入。2005年(平成17)柿木村(かきのきむら)と合併して吉賀町となる。国道187号が通じる。山口県に接し、経済活動も山口県との結び付きが多い。近世は津和野藩領で、参勤交代路の宿場町、市場町として繁栄した。地域は森林面積が広く、山陰唯一のコウヤマキ自生林がある。北部は西中国山地国定公園に含まれ、安蔵寺(あぞうじ)山、シャクナゲの自然林、長瀬峡などがある。ワサビ・シイタケ・リンゴ栽培や高冷地野菜生産が進み、山陽地方や京阪神に出荷する。中国自動車道が通過し、六日市インターチェンジが設置された。注連川(しめがわ)地区の旧道面(どうめん)家住宅は19世紀初期の農家建築で、国指定重要文化財。
[野本晃史]
『『六日市町史』2巻(1981、1988・六日市町)』