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同音衝突 どうおんしょうとつhomonymic collision

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

同音衝突
どうおんしょうとつ
homonymic collision

言語学用語。音韻変化や他方言からの流入によって生れる同音異義語が同じ文脈のなかで使用されうるため,意味上の混乱が起るような事態が生じること。これを避けるために片方の単語を廃して別の単語で置換したり,発音を変えたりすることが起る。普通に同音衝突というときは,この同音衝突回避現象とそれに関する説明原理をさす。 J.ジリエロンのフランス言語地図の研究で提唱されて有名になった。たとえば,フランスのガスコーニュ方言で,音韻変化の結果,猫の gat(<cattus)と雄鳥の gat (<gallus)とが衝突し,その結果,以前から冗談半分に雄鳥をさすのに用いていた,助任司祭を意味する vicaireを正式に雄鳥をさすのに用いるようになった。日本語では,私立と市立はどちらも「しりつ」でまぎらわしいので,区別するために「わたくしりつ」「いちりつ」という言い方が生じた。「科学 (かがく) 」と「化学 (ばけがく) 」も同類。ただし,日本語の文字言語では漢字があるために同音衝突はほとんど起らない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

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