名を竹帛に垂る(読み)なをちくはくにたる

精選版 日本国語大辞典 「名を竹帛に垂る」の意味・読み・例文・類語

な【名】 を 竹帛(ちくはく)に垂(た)

(竹帛書物、ひいて歴史の意。「後漢書‐鄧禹伝」の「但願明公威徳加於四海、禹得其尺寸、垂功名於竹帛耳」から) 名を長く後世に伝え残す。歴史に残るような功績をあげる。功名を竹帛に垂る。〔張儼‐賦犬詩〕

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デジタル大辞泉 「名を竹帛に垂る」の意味・読み・例文・類語

竹帛ちくはく

《「後漢書」鄧禹伝から》長く後世に伝えられるような名を歴史の上に残す。功名を竹帛に垂る。

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故事成語を知る辞典 「名を竹帛に垂る」の解説

名を竹帛に垂る

歴史に残るような功績を立てて、名を長く後世にまで伝えること。

[使用例] 彼は未来に於ていちれんたがいに半座を分たんことをねがひ、これはこんじょう未来に於て名声を竹帛にたれんことを願うの差あるのみ[正岡子規*読書弁|1889]

[由来] 「後漢書とう伝」に載っている話から。一世紀、後漢王朝が樹立される際のこと。鄧禹という武将は、旧知りゅうしゅう人柄を高く評価し、「あなたがこの世のだれからも尊敬される存在になるならば、私は少しでもその手伝いをして、『功名を竹帛に垂る(功績を挙げた人物として、名前が歴史に記録される)』のを願うだけです」と言ったとのことです。実際、彼の助力を得て、劉秀は後漢王朝を開くことになりました。なお、「竹帛」とは、竹の札と絹の布のことで、紙のなかった時代に文字を書き付けるのに使われたもの。書物、特に歴史書のことをいいます。

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