名香(読み)ミョウゴウ

デジタル大辞泉 「名香」の意味・読み・例文・類語

みょう‐ごう〔ミヤウガウ〕【名香】

仏に奉る香。仏前にたく香。
「―のなどにほひ満ちたるに」〈若紫

めい‐こう〔‐カウ〕【名香】

かおりがよく、名高い香。「名香を聞く」

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精選版 日本国語大辞典 「名香」の意味・読み・例文・類語

めい‐こう‥カウ【名香】

  1. 〘 名詞 〙 すぐれた香。非常によいにおいを立てる香。世に名高い香。
    1. [初出の実例]「庭火并平野竈神祭〈略〉名香二両、紙六十張」(出典:延喜式(927)一六)
    2. 「さまざまの名香を奉らせ給へれば、いみじう香(かうば)し」(出典栄花物語(1028‐92頃)玉のうてな)

みょう‐ごうミャウガウ【名香】

  1. 〘 名詞 〙 仏にたてまつる香。仏前にたく香。
    1. [初出の実例]「つくり花をいそぎ、名香をたき、仏の御前をかざり」(出典:観智院本三宝絵(984)下)

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普及版 字通 「名香」の読み・字形・画数・意味

【名香】めいこう

良い香。

字通「名」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の名香の言及

【香木】より

…《正倉院御物棚別目録》《法隆寺資財帳》《東大寺献物帳》等には,黄熟香(おうじゆくこう),全桟香(ぜんせんこう),沈香(じんこう),沈水香などの名で,香木が麝香(じやこう),コショウ,桂心等の香料とともに香薬として記載されており,また正倉院には黄熟香,全桟香,沈香のほか薫陸香(くんろくこう)(乳香),丁香(丁字花),えび香(調合した防虫芳香剤)等の香料が多量に収蔵されている。香道家はこの黄熟香を蘭奢待(らんじやたい),全桟香を紅塵(こうじん)と香銘で呼んでいるが,いずれも伝説的な天下第一の名香である。平安貴族は香を神仏に供えるのみでなく,日常生活の中で賞美する趣味の対象とし,沈香の粉末のほか各種の香料を調合練り合わせる空薫(空香)物(そらだきもの)(練香)に婉艶華麗な世界をひらき,秘技を競った。…

※「名香」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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