向江田村(読み)むこうえたむら

日本歴史地名大系 「向江田村」の解説

向江田村
むこうえたむら

[現在地名]三次市向江田町、双三ふたみ三良坂みらさか皆瀬かいぜ

和知わち村の南、馬洗ばせん川北岸に広がる村。「芸藩通志」は「むかひえた」と訓じ、江田庄一五ヵ村のうち、「此庄内にてひとり川むかひに在る、故に向江田とよべり」と記す。馬洗川を隔てた南岸には江田川之内えたかわのうち村・志幸しこう井田いだの地名がある。中世は江田氏の所領江田庄に含まれ、元和五年(一六一九)の備後国知行帳には高一七六二・七一三石を記す三谿みたに郡第一の大村。江戸時代を通じて広島藩領で、家老上田家給知と明知・給知の入会知行であった。

「芸藩通志」の三谿郡の「官道駅站」に載る尾道から三次へ至る石見路(赤名越)のコースは、三良坂村(現双三郡三良坂町)から馬洗川の南を川に平行して三次へ達するが、正徳年間(一七一一―一六)の芸備諸郡駅所市町絵図(浅野長愛氏所蔵)では小田幸こだこう村から馬洗川を渡って向江田村へ入り、さらに和知村へ北上し、三次郡四十貫しじつかん村・畠敷はたじき村を経て三次へ達している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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