吾那郷(読み)あがなごう

日本歴史地名大系 「吾那郷」の解説

吾那郷
あがなごう

吾野・我野とも書き、吾那保とも称された。高麗こま川上流の吾野あがの地区を中心にした山地一帯に比定される。室町時代に領主となった現越生おごせ法恩ほうおん寺の「報恩寺年譜」には、建久元年(一一九〇)源頼朝が吾那領三〇〇町の田畝を報恩寺(法恩寺)に食邑として寄進したとあるが、信用の限りではない。承元二年(一二〇八)三月一三日、鎌倉幕府は「武蔵国吾那」などの地頭職を越生有弘の譲状にまかせて越生有高に安堵している(関東下知状写)。次いで宝治元年(一二四七)六月四日、越生有高は「吾那上下」などの所領を同有直に譲与し(越生有高譲状写)、同年一〇月一日、将軍藤原頼嗣はそれらの所領を安堵している(藤原頼嗣袖判下文写)。また建治二年(一二七六)一二月一一日、幕府は「吾那保之在家野畠山」などの所領を越生長経に安堵している(関東下知状写)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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