旺文社世界史事典 三訂版 「周 恩来」の解説
周 恩来
しゅうおんらい
Zhōu Ēn-lái
中国の政治家・外交家
江蘇省の生まれ。日本・フランスに留学し,1923年帰国して中国共産党の党活動に従事,蔣介石石のもとで黄埔軍官学校政治部主任をつとめた。1931年江西ソヴィエトにはいって政治局主席団の一員となり,長征に参加。1936年の西安事件を解決し,第2次国共合作を促した。日中戦争中は政治局副主席などの要職を占めると同時に,国民政府軍事委員会政治部副部長となり,国共調整の衝にあたった。1949年中華人民共和国の成立後は政務院(のち国務院)総理兼外交部長となり,50年に中ソ友好同盟相互援助条約を締結したのをはじめ,54年にはネルーらと「平和五原則」を提唱し,55年のアジア−アフリカ会議を推進するなど,中国外交の先頭に立って活躍した。その後,中ソ対立の激化の中で文化大革命の収拾,国連加盟,米中・日中友好に成功し,すぐれた外交関係をもって,中国を国際社会のトップに引き上げた。
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