改訂新版 世界大百科事典 「周波数割当」の意味・わかりやすい解説
周波数割当 (しゅうはすうわりあて)
国際電気通信条約付属無線通信規則(〈国際電気通信連合憲章・条約〉)によれば,周波数割当は,〈無線局が特定の条件の下で無線周波数を使用することに対して主管庁(日本では郵政省)が与える許可〉と定義されている。有限な周波数資源の有効かつ効率的な使用を図り,混信のない無線通信の運用を保証するために行われるものである。そのためには周波数の分配が必要であり,どのような業務に,どの周波数帯で,どれだけの周波数の使用を認めるかが定められている。具体的には,分配された周波数の中から次の事項を考慮して行われる。(1)電波の型式,必要周波数帯幅および空中線電力,(2)送信所の位置および送信設備の特性,(3)受信所の位置または受信可能区域および受信設備の特性,(4)保護すべき電界強度および保護比,(5)隣接周波数に対する必要最小周波数間隔,(6)電波の伝搬特性。また,無線周波数の使用にあたり,国際間の混信の防止のため,国際電気通信連合により,各国が行う周波数割当の正式の国際的承認が行われている。
執筆者:宮内 瞭一
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