電界強度(読み)デンカイキョウド(その他表記)electric field strength

デジタル大辞泉 「電界強度」の意味・読み・例文・類語

でんかい‐きょうど〔‐キヤウド〕【電界強度】

電界中にある単位電荷にはたらく電気力。力の向きをもつベクトル量となる。単位はV/m。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「電界強度」の意味・わかりやすい解説

電界強度
でんかいきょうど
electric field strength

電圧のかかっている2枚の平板導体(コンデンサー)の間に電荷を入れると、その電荷には電気的な力が働く。電界とは、その電荷に力が働く領域をいい、その力の強さを電界強度という。

 一方、互いに直交する電界と磁界空間を伝わる電波に関しては、その強さ(波動振幅)を電界によって表す電界強度(単位はボルト毎メートル、V/m)のほかに、磁界によって表す磁界強度(単位はアンペア毎メートル、A/m)、または単位面積を通過する電力によって表す電力束密度(単位はワット毎平方メートル、W/m2)が用いられる。

 アンテナから放射された電波の電界強度は、距離に反比例して減少する。等方性アンテナ(全方向に均一に電力を放射する仮想の無損失アンテナ)から放射される電力をP(W)とすると、アンテナからd(m)離れた点における電界強度E(V/m)は次式で表される。


 ある地点における電界強度E(V/m)と電力束密度S(W/m2)との間には

の関係がある。ここで120πは自由空間インピーダンスといい、約377オームに相当する。また電界強度と磁界強度H(A/m)との間には、E=120πHの関係がある。

 一般に放送として受信されるときの電波の電界強度は弱いので、電界強度の単位として、ミリボルト毎メートル(mV/m、ボルト毎メートルの1000分の1)またはマイクロボルト毎メートル(μV/m、ミリボルト毎メートルの1000分の1)が用いられる。良質な電波の受信には、中波の音声放送では約250マイクロボルト毎メートル以上の電界強度が、また標準テレビジョン放送では約500マイクロボルト毎メートル以上の電界強度が必要である。

[若井 登]

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改訂新版 世界大百科事典 「電界強度」の意味・わかりやすい解説

電界強度 (でんかいきょうど)
field strength

電波が伝搬したときの,ある地点におけるその電波の電界または磁界の強さをいう。その単位は1m当りの電圧,すなわちV/mで表されるが,1μV/mを0dBとしてデシベル値で表されることも多い。方形,または丸形のアンテナ,比較発信器,受信機などで構成された測定器で測られ,その地点で電波の到来方向によってその強さが異なる場合はその最大値を意味する。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「電界強度」の意味・わかりやすい解説

電界強度
でんかいきょうど
magnitude of electric field

電界中の一点に大きさ q点電荷を置いたとき,それに働く力を q で割った値をその点の電界強度という。力はベクトル量であるから,電界強度もベクトル量である。電波が空間に放射されたときに生じる電界の強さは,アンテナから放射される電力の2乗根に比例し,受信される電力は電界の強さの2乗に比例する。

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