呼吸調節の異常

内科学 第10版の解説

呼吸調節の異常(呼吸器系の疾患)

 呼吸の大きさやリズムは,延髄や橋を中心とする脳幹部に存在する呼吸中枢により決定されている.呼吸中枢は,図7-11-1に示すような3種類の呼吸調節系からの情報を得て,自動的に適切な出力を決定し,呼吸筋を働かせる.最も重要な呼吸調節系は化学調節系で,末梢と中枢にある化学受容体が生体内のO2とCO2レベルを感知して換気量を調節することによりPaO2とPaCO2を一定のレベルに保っている.神経調節系は,上気道や肺,呼吸筋に存在する種々の受容体が換気による機械的刺激を感知して換気量の調節を請け負う.行動調節系とは,呼吸中枢の上位にある呼吸調節系であり,意識的に呼吸を止めたり大きくしたりできる随意性呼吸調節と喜びや悲しみ,怒りなどの情動により呼吸が変化する不随意呼吸調節とがある.睡眠時には,当然,この行動性の呼吸調節は失われるため,化学調節系と神経調節系によって自動的に呼吸が調節されている.[赤柴恒人]
■文献
Bickelmann AG, et al: Extreme obesity associated with alveolar hypoventilation−a Pickwick syndrome. Am J Med, 21: 811-818, 1956.
Guilleminault C, Tilkian A, et al: The sleep apnea syndromes. Ann Rev Med, 27: 465-484, 1976.
厚生科学研究費補助金特定疾患対策研究事業.呼吸不全に関する調査研究(主任研究者栗山喬之).平成13年度総括研究総括書,pp146-147,2002.
睡眠呼吸障害研究会編:成人の睡眠時無呼吸症候群,診断と治療のためのガイドライン,メディカルレビュー社,東京,2005.

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

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