和田町(読み)わだまち

日本歴史地名大系 「和田町」の解説

和田町
わだまち

面積:三二・四三平方キロ

安房郡東端に位置し、北から東にかけては鴨川市、東は太平洋、西から南にかけては丸山まるやま町。当町のうち安房中部丘陵の南斜面が海岸に迫る地帯は、海岸段丘と岩礁海岸が発達し、好漁場を形成する。近世末の安房国全図(千葉県史料)に中部丘陵から流れる数条の小河川が記載され、現在、長者ちようじや川・三原みはら川・温石おんじやく川が流れ、その流域はそれぞれ町の東部・中部・南部地域を形成する。海岸段丘上を南北に国道一二八号が走り、その両側に主として商業地帯が展開する。段丘上の畑地には冬季温暖な気候を利用して花卉栽培が盛んで、海岸地帯には漁業集落と漁港が形成され、漁業が発達している。国道一二八号沿いに南から海発かいほつ・下三原白渚しらすか真浦もうら・和田・仁我浦にがうらしば花園はなそのの各集落があり、県道南原みなみはら停車場まる線に中三原・黒岩くろいわ小向こむかい・上三原・磑森するすもりの各集落が連なる。鉄道は大正一〇年(一九二一)六月に国鉄内房線の安房北条あわほうじよう(現館山市)―南三原間が開通し、同時に南三原駅が開業した。同一一年一二月に南三原―江見えみ(現鴨川市)間が開通し、同時に和田駅が開業。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報