普及版 字通 「哥」の読み・字形・画数・意味
哥
10画
[字訓] うた・あに
[説文解字]
[字形] 会意
可+可。可を上下に重ねた形。可は祝を収めた器(口、(さい))を柯枝で殴(う)ち、その成就を求めて呵責を加える意。そのとき発する声を呵といい、その声調を哥・謌という。謌は歌の初文。〔説文〕五上に「聲なり」とし、「古以て謌の字と爲す」、また欠部八下の歌字条に、重文として謌を録する。
[訓義]
1. うた、うたうこえ。
2. 人をよぶときの語。目上や親しい人をよぶとき用いる。近世以来の俗語では、兄さんというほどの語。あに。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕哥 ウタフ 〔字鏡集〕哥 ウタフ・ウタフコヱ・ヘシ・キク・ヨシ
[声系]
〔説文〕に哥声として歌、その重文として謌を収める。可・哥・歌は一系の字。金文には歌に訶を用いる。六朝・斉の〔元賢墓誌〕に謌、唐の虞世南の〔孔子堂碑〕に哥を用いる例がある。
[語系]
可khai、歌kai、許xa、阿aiなどは、みな神に祈る儀礼のときに発する語。その緩急の声である。
[熟語]
哥哥▶
[下接語]
鸚哥・大哥
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報