…日本人は一般に箱に対する関心が強く,その形式や装飾を多様に発達させている。箱の使用が大陸から伝えられたことは,〈ハコ〉が朝鮮語pakoni(筐)と同源であり,唐(韓)櫃(からびつ),唐櫛笥(からくしげ)という言葉があることから知られる。 古くは,竹のひご,木・草の皮や芯(しん),蔓(つる)などを編んでつくった藍胎(らんたい),柳筥,葛箱など,また木の内部をろくろでくりぬいた挽物(ひきもの),薄いヒノキ板を曲げてつくる曲物(まげもの)がおもであったが,やがて木板を継いで箱をつくる指物(さしもの)の技術が中国,朝鮮の影響下に発達した。…
※「唐櫛笥」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」