唐櫛笥(読み)カラクシゲ

デジタル大辞泉 「唐櫛笥」の意味・読み・例文・類語

から‐くしげ【唐×櫛×笥】

[名]櫛などを入れておく美しい箱。
「唐草の蒔絵まきえの―」〈今昔・三一・五〉
[枕]箱が開く意から「明く」にかかる。
「―明けくれ物を思ひつつ」〈宇津保・あて宮〉

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精選版 日本国語大辞典 「唐櫛笥」の意味・読み・例文・類語

から‐くしげ【唐櫛笥・厳器】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 「から」は美称とも、形が中国風だからともいう ) 櫛などを入れる美しい箱。上品な化粧箱。〔十巻本和名抄(934頃)〕
    1. 唐櫛笥<b>[ 一 ]</b>〈奈良県春日神社蔵〉
      唐櫛笥[ 一 ]〈奈良県春日神社蔵〉
  2. [ 2 ] 枕 箱が開(あ)くというところから、「開(あ)く」と同音の「明(あ)く」にかかり、また、「くしげ」と同音の「くし」にかかる。玉櫛笥(たまくしげ)。
    1. [初出の実例]「からくしげ明けくれ物を思ひつつ皆むなしくもなりにけるかな」(出典:宇津保物語(970‐999頃)あて宮)
    2. 「なつはただあくる日ごとにからくしげくしだのもりのかげぞうれしき」(出典:天喜元年越中守頼家名所歌合(1053))

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世界大百科事典(旧版)内の唐櫛笥の言及

【箱】より

…日本人は一般に箱に対する関心が強く,その形式や装飾を多様に発達させている。箱の使用が大陸から伝えられたことは,〈ハコ〉が朝鮮語pakoni(筐)と同源であり,唐(韓)櫃(からびつ),唐櫛笥(からくしげ)という言葉があることから知られる。 古くは,竹のひご,木・草の皮や芯(しん),蔓(つる)などを編んでつくった藍胎(らんたい),柳筥,葛箱など,また木の内部をろくろでくりぬいた挽物(ひきもの),薄いヒノキ板を曲げてつくる曲物(まげもの)がおもであったが,やがて木板を継いで箱をつくる指物(さしもの)の技術が中国,朝鮮の影響下に発達した。…

※「唐櫛笥」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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