朝日日本歴史人物事典 「唐物久兵衛」の解説
唐物久兵衛
江戸中期の鋳物師。名を常信といい,享保年間(1716~36)ごろ,和泉国堺(堺市)に住し活躍した。作品は蝋型鋳造に長じ,享保19(1734)年銘の釣灯籠(大阪・菅原神社蔵)が著名である。火袋部分に透かされた雲文地に竜と鳳凰の造形は技量をいかんなく発揮している。また,根付のような小品にも精緻な作域のものを残している。<参考文献>香取秀真『金工史談/続編』
(加島勝)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報