釣灯籠(読み)ツリドウロウ

デジタル大辞泉 「釣灯籠」の意味・読み・例文・類語

つり‐どうろう【釣(り)灯籠】

軒先などにつるす灯籠

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「釣灯籠」の意味・読み・例文・類語

つり‐どうろう【釣灯籠】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 軒先などにつるす灯籠。置灯籠に対していう。
    1. [初出の実例]「木の間木の間の釣燈籠(ツリトウロウ)に影移りて」(出典浮世草子男色大鑑(1687)六)
    2. 釣灯籠<b>①</b>〈石山寺縁起絵巻〉
      釣灯籠石山寺縁起絵巻
  3. 妾をいう。
    1. [初出の実例]「是より本妻を伽羅の御かたと異名し、妾が名を釣燈籠と欺(あさむく)。引上られて光ありといふ事成べし」(出典:浮世草子・諸国心中女(1686)五)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「釣灯籠」の意味・わかりやすい解説

釣灯籠
つりどうろう

灯籠の一種。建物の軒などに吊って照明に用いる。絵巻に,宮中清涼殿に釣灯籠を掛けた画面があり,社寺以外でも古くから使用された。特に有名なものは春日大社や厳島神社の回廊の軒に吊下げた献灯で,社寺に奉納する風習は平安時代頃からあった。材質は銅,鉄,木材で,それぞれ工芸的手法で装飾が施されている。在銘の遺品には岐阜,長滝寺に献灯された,元応1 (1319) 年作の『鍛鉄釣灯籠』 (重文,京都国立博物館) が最古で,鋳銅のものとしては厳島神社の正平 21=貞治5 (66) 年作が古い。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の釣灯籠の言及

【灯籠】より

…原形は,中国大陸から朝鮮半島を経て,仏教とともに伝来した。材質の違いから木灯籠,陶灯籠,金灯籠,石灯籠があり,形状の違いから台灯籠(置灯籠,立灯籠),釣灯籠がある。置灯籠(図1)を構成する基本的な部材は,下から基礎,竿,中台,火袋,笠,宝珠の6部材。…

※「釣灯籠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android