大阪〔府〕
おおさか
面積 1905.32km2。
人口 883万7685(2020)。
年降水量 1279.0mm(大阪市)。
年平均気温 16.9℃(大阪市)。
府庁所在地 大阪市。
府木 イチョウ。
府花 ウメ,サクラソウ。
府鳥 モズ。
近畿地方中部,大阪湾に臨む府。明治4 (1871) 年府制。府域の大部分は大阪平野で,北,東,南の三方をそれぞれ北摂山地,金剛山地,生駒山地,和泉山脈に囲まれ,西は大阪湾に面する。水陸交通の要地で,開発は古く,先史時代から人が居住。当時の石器が藤井寺市の国府遺跡や東大阪市の日下貝塚などから発見されたのをはじめ,丘陵や台地には多くの古墳群や遺跡がある。古代,中世,近世を通じて飛鳥,奈良,京都の門戸として難波,大坂 (小坂) の地名で発展。明治以降,大阪市が近代商工業都市となるに従い,周辺部も工業化が進んだ。大正期までは紡績を中心とする軽工業が主であったが,第2次世界大戦後,特に埋め立てによる堺泉北臨海工業地域などが造成されてから重化学工業も盛んになった (→阪神工業地帯 ) 。それに伴い都市化も著しく,多くの衛星都市が形成され,農業地域は激減した。農業の規模は小さく,兼業化,集約化が極度に進んでいる。かつて盛んであったイワシ漁を主とする沿岸漁業も,埋立地の造成や工業化に伴う海水汚濁の影響で衰退。商工業は東京都とともに日本の中枢部をなす。北部に明治の森箕面国定公園があり,東部・南部の奈良県,和歌山県境一帯は金剛生駒紀泉国定公園に属する。神戸市に連なる大阪湾岸地区では 1990年代初めより大阪湾ベイエリア開発が進められ,1994年には関西国際空港が開港した。
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出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報
おおさか‐ふ おほさか‥【大阪府】
近畿地方の中部、大阪湾に面する府。昔の河内、和泉の二国と
摂津国の東部にあたる。明治四年(
一八七一)の
廃藩置県によって大阪府と堺県が
成立。同九年堺県は奈良県を
合併、同一四年大阪府は堺県を合併、同二〇年に奈良県を分離してほぼ現在の府域となる。現在は阪神工業地帯の主要部を形成。府庁所在地は大阪市。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
大阪府
大阪府の面積は一八六六・八五平方キロで、全国の都道府県中最も狭い。しかし日本列島のほぼ中心に位置し、瀬戸内海に面するという地理上の好条件に恵まれて、早くから文化が開け、古代では摂津国の東半部と河内・和泉両国とを領域とし、奈良県の大和国、京都府の山背(山城)国、兵庫県の摂津国西半部とともに畿内を形成し、政治の中心地となった。遣隋・遣唐・遣新羅などの外交使節は、大阪港の前身である難波津から発着し、外交上の要地でもあった。中世以降は、一六世紀後半の豊臣秀吉の時代を除き、日本の政治の中心は大阪府の地域を離れるが、農業や造酒・精銅・機織を含む各種の手工業はいよいよ栄え、ことに商業の面では日本の中心的地位は揺るがず、全国の富の七分は大坂に集まるといわれた。この地域は日本経済の最先進地域として、来るべき近代化の基礎を築きつつあったといってよかろう。
自然環境
大阪府は大阪平野を中心として大阪湾に面し、北は能勢から京都府の老ノ坂へかけての山地、東は生駒・金剛の山地、南は和泉山脈に限られ、西は北方の山地を水源とする猪名川および神崎川下流の線をもって兵庫県との境とする地域である。この地域を潤し、産業・文化の発達を促した主要な河川には、北東部から南西流する淀川と、中央部から西流する大和川とがある。両河川はもとは大阪平野の南から北へ突出する上町台地の丘陵の北東方で合流し、大阪湾に注いでいた。一八世紀初頭に大和川の付替工事が行われ、柏原市から西流して大阪湾に流入するようになるまでは、河内の低地部には大和川の諸流が流入する大きな湖沼や湿地帯が存した。さらにさかのぼって弥生時代や縄文時代では、大阪湾の水が湿地帯に通じて、海水の混じった入海ないし入江が形成されていたのではないかと推測される。この両河が合して大阪湾に入る河口に発達するのが、大阪の地に繁栄をもたらす大きな要素となった難波津であるが、両河の流れを制御し、治水を進めることがこの地域の人々の課題であった。
〔旧石器時代・縄文時代〕
大阪平野にはすでに旧石器時代から人間が居住していたことが知られる。その著名な遺跡は藤井寺市の国府に存し、昭和三二―三三年(一九五七―五八)の調査で旧石器が発見され、その後、和泉市の大床、高槻市の郡家今城、高石市の大園、枚方市の楠葉東なども調査されて旧石器が出土した。それらの旧石器は、南河内郡太子町と奈良県北葛城郡當麻町の境にある二上山のサヌカイトを用いたものが多いが、二上山の山麓地帯でサヌカイト製の旧石器の散布する地点は、大阪府と奈良県にわたって三五ヵ所に達するという。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
デジタル大辞泉
「大阪府」の意味・読み・例文・類語
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