日本大百科全書(ニッポニカ) 「喫茶往来」の意味・わかりやすい解説 喫茶往来きっさおうらい 室町時代の茶会および喫茶の知識を網羅した書。1巻。当時流行した往来物の一種で、贈答消息の形式で示されているところにその名の由来がある。玄恵(げんえ)法師の著といわれるが、確証はない。あるいはそれ以後15世紀前期の著作とも考えられている。足利義満(あしかがよしみつ)の北山文化を飾った闘茶会と、その風俗、文化が記され、茶道前史の貴重な資料となっている。2組の往復書状を掲げ、一つには茶会の構成、座敷を説き、いま一つには名茶、点茶についてを説いている。『群書類従』飲食部、『茶道古典全集』第2巻所収。[筒井紘一] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例