四ヶ村溝(読み)しかむらみぞ

日本歴史地名大系 「四ヶ村溝」の解説

四ヶ村溝
しかむらみぞ

万治年間(一六五八―六一)野中兼山により開削された農業用水うしろ川の麻生あそう堰から後川左岸を秋田あいだ安並やすなみ佐岡さおか小津賀こつかの四ヵ村を灌漑して流れるところからその名がある。「皆山集」には「長五十七町廿五間、幅広所二間半、狭所二間、深所四尺浅所一尺五寸、清流舟筏通せず、堤塘三十七町廿五間、麻生村字ホキ口堰より南に向ひ秋田・安並・佐岡村を経て古津賀村字切抜に至り筧を以て後ロ川の支流を踰へ、同村字木ノ辻に至る、四ケ村耕田八十四町四反歩の用水に供す、口碑に云、野中氏此溝の目論見は独四ケ村ニ止らず、尚延て南方数村ニ及すべき也と云、其は古津賀村南端字セキヅメ井沢村に接したる路傍に長凡三十間巌石を鑿穿之溝形ありしに大石に当り中止したり、土人今之が功労を果さば必ず溝水を延て耕田の利益を増加すべし」とある(明治一八年六月調査)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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