四川地震(読み)しせんじしん(その他表記)Sichuan earthquake of 2008

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「四川地震」の意味・わかりやすい解説

四川地震
しせんじしん
Sichuan earthquake of 2008

2008年5月12日に発生し,中国南西部スーチョワン(四川)省の中部山岳地帯に甚大な破壊をもたらした大地震。マグニチュードM)は 7.9(中国地震局発表は 8.0),震源地は省都チョントー(成都)特別市の北北西約 100kmにあるウェンチョワン(汶川)。一帯の建造物のおよそ 5分の4が崩壊,山岳地帯の村や町は壊滅状態となり,多くの学校も倒壊した。政府はただちに中国人民解放軍兵士や救助隊員 13万人を派遣したが,山間部の多くの村が孤立し,最新の救助装備も不足していたために救助が遅れ,死者が増える一因ともなった。最終的な公式集計によると死者および行方不明者は約 9万人。数百万人が家を失った。死者のうち 5300人以上が児童で,その大半は学校で授業中に被災した。二つの大規模ダムを含む数百のダムが損傷したほか,川や湖が土砂瓦礫でせき止められ,排水路がつくられるまで被災地は洪水の危険にさらされた。土砂崩れで死亡した救助隊員はおよそ 200人に上るとされる。建物や生活基盤設備の修復,再建はすぐに始められたが,山間部での作業はなかなか進まなかった。2008年8月と 9月には大きな余震が発生した。

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