チョントー特別市(読み)チョントー(その他表記)Chengde

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チョントー特別市」の意味・わかりやすい解説

チョントー(承徳)〔特別市〕
チョントー
Chengde

中国華北地方,ホーペイ(河北)省北東部の市。市区と同名の県からなる。イエンシャン(燕山)山脈北麓のチョントー盆地にあり,ロワン(灤)河の支流ウーリエ(武烈)河(熱河)に臨む。ペキン(北京)直轄市の北東にある交通の要地として,の歴代王朝に重視された。では康煕42(1703)年康煕帝が広壮な承徳避暑山荘造営し,夏季の政務場所とした。また中国各少数民族の建築様式を取り入れた外八廟と呼ばれる寺院群も造営。雍正1(1723)年熱河直隷庁が置かれた。中華民国では 1928年熱河省が成立すると省都となった。チンチョン(京承)鉄道とチンチョン(錦承)鉄道の接続点で,道路も四通しており,穀類毛皮,漢方薬材などの集散が盛ん。鉄鉱山があり,機械,製鉄など近代的な工場も建設されている。農村部ではアワトウモロコシコムギダイズなどが栽培される。人口 32万9970(2002推計)。

チョントー(成都)〔特別市〕
チョントー
Chengdu

中国西南地方,スーチョワン (四川) 省の省都。スーチョワン盆地西部のチョントー平原にあり,チョントー市区と1市 11県から成る。肥沃な土壌と温和な気候に恵まれて早くから開け,秦代に蜀郡の治所,後漢では益州の治所,三国時代には蜀漢の国都,五代には蜀の国都となっている。明,清では成都府で四川省の省都。絹織物で知られたが,典型的な消費都市であった。人民共和国成立後,重工業区,軽工業区,化学工業区,文化教育区,公園緑地区,商業住宅区に区分され,広い街路が建設された。工業地区には火力発電所のほか,製鉄,精密機械,トラクタ,電機,化学,綿紡織コンビナート,絹織物などの近代的工場がある。文教地区にはスーチョワン大学をはじめとする高等教育機関があり,西南地方の文化センターとなっている。鉄道はパオチョン (宝成) 線,チョンクン (成昆) 線,チョンユイ (成渝) 線が集り,北西方のトーチヤンイエン (都江堰) 市にも支線が出ている。チベット (西蔵) 自治区へは自動車道が通じる。史跡は数多いが,詩人杜甫の旧居を記念する杜甫草堂,蜀漢の宰相諸葛亮をまつる武侯祠などがある。郊外は灌漑施設の整った農業地域で,水稲中心にコムギ,サツマイモ,アブラナ,サトウキビ,ワタ,ナンキンマメ,タバコ,アサなどを栽培する。チンタン (金堂) 県にはスーチョワン化学肥料工場がある。人口 926万 6548,うち市区人口 297万 423 (1990) 。

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