四度公文(読み)しどくもん

山川 日本史小辞典 改訂新版 「四度公文」の解説

四度公文
よどのくもん

律令制下で諸国からの四度使(よどのつかい)が提出した公文総称正税帳使大帳使貢調使朝集使を四度使といい,それぞれが中心になる帳簿とその補助となる枝文(えだぶみ)を持参した。734年(天平6)の「出雲国計会帳」では,使者が提出する公文の目録が作られて,弁官に一括して提出されたことがうかがえる。また四度公文の提出期限は種類によっても異なるが,地域によって差が設けられ,遠距離の地域に便宜が図られていた。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の四度公文の言及

【公文】より

…本来は律令制下における公的文書の総称で,とくに大計帳,正税帳,調帳,朝集帳は四度公文として重視された。これら公文を取り扱う所が公文所でその取扱者をも公文と称することがあった。…

【雑掌】より

…奈良時代,四度使雑掌(よどのつかいざつしよう)といわれ,四度使に随行,四度公文(諸国から中央に提出した大計帳,正税帳,朝集帳,調庸帳をいう)等の公文書を太政官に進めるべく上京し,四度使とともに民部省における公文勘会(くもんかんえ)(地方官の行政の実態と公文書との照合)に加わった諸国の官人。ほぼ書生クラスの人が当たった臨時の職で,3~6ヵ月間在京して事務をとった。…

【四度使】より

…また正税帳使は,国衙財政の決算報告書である正税帳その他の公文書を持参する。四度使が持参する公文書を四度公文(よどのくもん)といい,その付属文書を枝文(えだぶみ)といった。中央政府はこれらの公文書を通じて国々の動静を把握したが,平安時代に地方政治が乱れるにともない,しだいに四度使の派遣はみられなくなった。…

※「四度公文」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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