出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
計帳使とも。四度使(よどのつかい)の一つ。諸国でまとめられた大帳(大計帳)を毎年8月末(「延喜式」では陸奥・出羽両国と大宰府管内は9月末)以前に太政官に提出するため,国司官人の使者が持参して上京した。これが大帳使で,大帳とその枝文(えだぶみ)を京進して主計寮で勘会(かんかい)が行われた。勘会がすめば返抄をうけとって帰国が許される。9世紀には大帳使の持参する公文(くもん)が朝集使に付されるなど簡略化が行われたこともあった。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
…この大帳について一般には単に目録のみを指すものとされるが,〈大帳内目録〉という用語例があり,おそらく目録に歴名をも付属させていたものであろう。この大帳を上進する京国の官人が大帳使であり,それはまた本来的に計帳使とも呼ばれた。この計帳制度も律令体制の弛緩にともない,9世紀を通じてしだいに衰退していった。…
…717年(養老1)5月に大計帳,輸租帳などの諸帳簿とともに記載様式が政府から諸国に頒布された。各戸主からの申告書をもとに作成され,大帳使が8月末までに政府に提出することになっていた。輸租田・損田などの関係帳簿と照合して,田租の徴収をより確実なものとし,自然災害等による課役減免の際の不正を防ぐ意図などがあったとみられる。…
…(1)日本古代の律令制のもとで,国衙(こくが)の政務などを報告するため,毎年定期に上京する4種の使者。朝集使(ちようしゆうし),大帳使(だいちようし)(計帳使とも),貢調使(こうちようし),正税帳使(しようぜいちようし)をさす。いずれも国司がその任にあたるが,朝集使のみ四等官にかぎられ,他は史生(ししよう)などの雑任(ぞうにん)でもよかった。…
※「大帳使」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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