枝文(読み)えだぶみ

精選版 日本国語大辞典 「枝文」の意味・読み・例文・類語

えだ‐ぶみ【枝文】

  1. 〘 名詞 〙 古代四度公文(しどのくもん)それぞれに添えられた付属帳簿。中央官庁主計寮)で、四度公文各帳の記載内容の点検に必要な明細帳であった。大帳計帳)枝文、税帳枝文、調帳枝文などがある。〔政事要略(1002頃)〕

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「枝文」の解説

枝文
えだぶみ

律令制下に四度使(よどのつかい)が諸国から持参する公文(くもん)。大帳(だいちょう)・調帳など四度使が持参する主たる公文に対し,その補助としてそえられる種々の公文をまとめて大帳枝文・調帳枝文などとよんだ。また進上する時期が同じために四度使に付託された公文を含めてもよばれる。出雲国計会帳には奈良時代の天平年間に実際に提出された枝文の記録がみられ,また「政事要略」にも多くの枝文の類例が列挙されている。

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世界大百科事典(旧版)内の枝文の言及

【四度使】より

…また正税帳使は,国衙財政の決算報告書である正税帳その他の公文書を持参する。四度使が持参する公文書を四度公文(よどのくもん)といい,その付属文書を枝文(えだぶみ)といった。中央政府はこれらの公文書を通じて国々の動静を把握したが,平安時代に地方政治が乱れるにともない,しだいに四度使の派遣はみられなくなった。…

※「枝文」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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