四瀆(読み)しとく(その他表記)Sì dú

改訂新版 世界大百科事典 「四瀆」の意味・わかりやすい解説

四瀆 (しとく)
Sì dú

中国の四大河。瀆とは,水源を発して直接海に注ぐ川(《爾雅》釈水)を指す。一説に,中国の汚濁を海に流す大河を指すともいう(《白虎通巡狩)。一般には,長江揚子江),黄河,淮水(わいすい),済水を数える。四瀆は古くから神としてまつられてきたが,五岳とともに国家祭祀の対象となるのは前漢宣帝の神爵1年(前61)からで,四瀆のおのおのについて特定の地に廟が建てられた。その後も歴代王朝によってまつられている。なお済水の代りに漢水を入れる説(《書経》禹貢の疏)もある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の四瀆の言及

【川】より

…一方では,このような生物への影響を少なくするために魚道や魚巣ブロックを設けたりもしているが,河川工事と河川生物の保護を両立させるためには,工事の際にできるだけ自然状態を残すくふうが必要で,一部で試みられ始めている。【日下部 有信】
【世界の神話,伝承】
 中国の水系をととのえた功績は,夏の禹王の治水伝説として伝えられているが,中国の河川を代表するのは,五岳に対比される四瀆(しとく),すなわち江(長江),河(黄河),淮(淮河),済(済水)の4河川である。《礼記》王制篇には,天子は四瀆をはじめとする天下の大川を祭り,諸侯はそれぞれの領国内の大川を祭るものとされている。…

【済水】より

…中国で,黄河,淮水(わいすい),長江(揚子江)とともに古来四瀆(しとく)と呼ばれる名川。流路の変遷が著しく,かつての河道の正確な位置決定は困難である。…

※「四瀆」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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