四艘張網(読み)シソウハリアミ

デジタル大辞泉 「四艘張網」の意味・読み・例文・類語

しそう‐はりあみ〔シサウ‐〕【四×艘張(り)網】

底敷き網の一。50~100メートル四方の網を、4隻の船で四方から支えて海底に沈め、まき餌や集魚灯で魚を集めてから一斉に引き揚げて捕獲するもの。カツオ・サバ・アジなどの漁に用いる。

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精選版 日本国語大辞典 「四艘張網」の意味・読み・例文・類語

しそう‐はりあみ【四艘張網】

  1. 〘 名詞 〙 底敷網一種。四手(よつで)網を大形にしたようなもの。規模は数十メートルから一〇〇メートルにおよび、水深五〇メートル前後の所に沈めて、四隅を四艘の船が支え、撒餌や集魚灯によって魚群を網の上に誘致して漁獲する。八田網鹿児島)、南北網(和歌山三重)、玉筋魚(いかなご)敷網愛媛)、鰹鮪敷網(神奈川・静岡)など。

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世界大百科事典(旧版)内の四艘張網の言及

【漁具】より

…カレイ・ヒラメ類などの底魚や貝類,また底層・中層を群泳するアジ,タイ,イカ類,エビ類などがおもな漁獲対象である。 敷網類(敷網漁業)はあらかじめふろしきのような網を水中に沈めておき,餌・集魚灯などで網の上に魚群を誘導し,これをすくいとるもので,小さな四つ手網から各種棒受網,四艘(しそう)張網,八手(はちだ)網など大きいものまである。大きな敷網類はいずれもイワシ,アジ,サバなど群れをなして行動する魚種を対象とするが,現在,この漁具を使う漁業で最も重要なのはサンマ棒受網(棒受網漁業)である。…

【網漁業】より

…敷網類のおもな捕獲対象となったのは浮魚であった。この網の規模もいろいろありえたであろうが,イワシ等をおもな捕獲対象とした八手(はちだ)網・四艘張(よんそうはり)網などは,江戸時代の初期から中期にかけて開発され普及したものが多いという。巻網類と同様に,当時としては沖合操業性の強い性格を持った大規模漁業が少なくなかったとみられる。…

※「四艘張網」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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