出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…また日本を含む各国の政府機関や民間団体でウミガメの保護増殖やスッポンの養殖事業が実施され,個体数の回復が試みられている。【松井 孝爾】
【伝承,民俗】
[中国]
《礼記(らいき)》に四つの神秘的な動物,四霊の一つとして,麟(りん),鳳(ほう),竜とともに亀が並べられ,亀は甲虫(甲羅をかぶった動物)の長だとされる。亀のもつ霊力はさまざまな面に現れるが,その第1は未来を予知する能力があるとされることである。…
…例えば,孔子71歳のとき,野に無残な麒麟の死体を見て〈我が道窮(きわ)まれり〉とて泣いた(《春秋公羊(くよう)伝》),漢の武帝のとき白麟を得たので元狩と改元した(《漢書》)など。こうして麒麟は仁獣または瑞獣とされ,鳳凰(ほうおう),亀,竜と並んで四霊と呼ばれ,牡牝の交合によっては生まれない,啼(な)き声は音楽の音階に合っている,生きている草や虫を踏まないなどの伝説が生まれた。後世の角端(かくたん)も麒麟の亜種といえよう。…
…戦国時代前期の,曾侯乙墓出土の漆器の蓋に,北斗や二十八宿とともに竜と虎とが描かれて,四神の観念の基礎となるものが天空上の星座と結びついて,すでに生まれていたことを示す。この竜虎の組合せに朱雀と玄武とが加わったのは,四霊(麟,鳳,亀,竜)の観念と結合したからであろうか。とくに玄武が,亀と蛇とのからみ合った図象で表されるのは,北方が,五行思想によれば水であり冬の季節にあたるところから,冬至の時期に宇宙的規模の性的結合があって世界が再生すると考えられたことによろう。…
…甲骨文の竜の字に特徴的なのは,その頭上にアンテナのような飾りを戴くことで,これがのちには尺木と呼ばれる竜の角となるもので,竜は尺木があるので天に升(のぼ)れるのだとされる。《礼記(らいき)》では,竜は鳳,麟,亀とともに四霊の一つとされ(鳳凰(ほうおう),麒麟(きりん)),漢代に成立した四神の観念の中では,東方に位置づけられて青竜と呼ばれる。四神の観念の成立にともなって竜の図像も多数出現するようになるが,そこでの竜は立派なたてがみと足とを持ち,馬との類似性が大きい。…
※「四霊」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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