囲炉裏・居炉裏・炉(読み)いろり

精選版 日本国語大辞典 「囲炉裏・居炉裏・炉」の意味・読み・例文・類語

いろり ゐろり【囲炉裏・居炉裏・炉】

〘名〙 (「囲炉裏」「居炉裏」はあて字) 屋内の床を四角に仕切って火をたき、煮炊き暖房などに用いる場所。炉。いるり。ゆるり。《季・冬》 〔明応本節用集(1496)〕
※俳諧・茶のさうし(1699)「五つむつ茶の子にならぶ囲炉裏哉〈芭蕉〉」
[語誌](1)中世からイロリ・イルリ・ユルリの形で文献に現われる。日葡辞書にもこの三形が見え、用例(~ヲ切ル)はユルリにのみ記されている。写本と版本との間で新語形(口語)と伝統形(文語)の対立が認められる傾向があるという「甲陽軍鑑」において、写本・版本の両方にイロリ・イルリが共に見られることからも、口語・文語とも語形にゆれを生じていたことがうかがわれる。
(2)近世以降「囲炉裏」の漢字表記が一般化するにつれ、イロリが標準語形としての位置を獲得したものと思われる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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