図書館の自由(読み)としょかんのじゆう(その他表記)intellectual freedom of libraries

図書館情報学用語辞典 第5版 「図書館の自由」の解説

図書館の自由

「日本国憲法」で保障している「表現の自由」を最大限に尊重し,日常の図書館活動を支えていく包括的概念.1954(昭和29)年に「図書館の自由に関する宣言」が採択されているが,ここでの「図書館の自由」は,第二次大戦前の思想善導の苦い体験を踏まえた「国家権力からの自由」という「図書館の中立性」に根拠を求めている.また,当時の日本図書館協会事務局長である有山崧は,“図書館の自由を守ろうということは,図書館のためとか,図書館員のために自由を守るということではなく,民衆の知る自由を擁護すること”と述べている.しかし,「図書館の自由」は,民主主義社会における市民権利公共福祉との緊張をはらみ,その領域を,人類の普遍的課題としての自由の確立に向けて,拡大,修正されている.

出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android