日本大百科全書(ニッポニカ) 「国会等移転法」の意味・わかりやすい解説
国会等移転法
こっかいとういてんほう
正式名称は「国会等の移転に関する法律」。国会や行政、司法など中枢的機能の、東京圏外への移転の積極的検討を国の責務とし、その基本方針、移転先候補地の選定体制などを定める法律。1992年(平成4)12月成立(平成4年法律第109号)。1995年12月に国会等移転調査会が提出した最終報告書のなかで、東京から60~300キロメートル圏、国際空港の確保、災害に対する安全性、既存大都市から十分な距離、などの移転先の選定基準があげられた。それを受け、1996年6月に総理府(現内閣府)に国会等移転審議会を設置し、移転先候補地の選定を行うこととする法改正を行った。国会等移転審議会は、31回に及ぶ審議のすえ、1999年12月に移転先候補地として以下を内容とする答申を行った。北東地域の「栃木・福島地域」または東海地域の「岐阜・愛知地域」を選定する。「茨城地域」は自然災害に対する安全性に優れる等の特徴を有しており、「栃木・福島地域」と連携し、これを支援・補完する役割を果たすことが期待される。「三重・畿央地域」は将来新たな高速交通網が整備されることになれば移転先候補になる可能性がある。
[浅野一郎・浅野善治]