国清百録(読み)こくせいひゃくろく(その他表記)Guó qīng bǎi lù

改訂新版 世界大百科事典 「国清百録」の意味・わかりやすい解説

国清百録 (こくせいひゃくろく)
Guó qīng bǎi lù

中国天台宗の開祖智顗ちぎ)を中心とする初期天台教団関係文書集。4巻。隋の智寂が編集,灌頂が完成させた。天台山煬帝(ようだい)から国清寺寺額が下賜された605年(大業1)ころのことと考えられる。後梁,陳から隋初に及ぶ104条の文書を収めるので《国清百録》と名づけられた。文書に乏しい六朝・隋にあって,きわめて貴重な資料集であり,道宣の《続高僧伝》もしばしばこれを用いている。
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世界大百科事典(旧版)内の国清百録の言及

【智顗】より

…晋王広の懇請により《維摩経疏》を撰述し,揚州に向かって下山の途中に西門石城寺で没した。 智顗は,〈論〉ではなく〈経〉本位の教学を組織し,五時八判の教判(教相判釈)をたてた中国的仏教の大成者であり,主著として弟子灌頂が筆録した《法華玄義》《法華文句》と《摩訶止観》のいわゆる〈天台三大部〉があり,同じく灌頂が集録した《国清百録》は天台山国清寺に関する104種の文献を集めていて,《智者大師別伝》とともに智顗の伝記研究にも不可欠の文献である。【礪波 護】。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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