日本大百科全書(ニッポニカ) 「国立のぞみの園」の意味・わかりやすい解説
国立のぞみの園
こくりつのぞみのその
重度の知的障害がある人たちに対する自立のための総合的な支援の提供や、支援に関する調査や研究等を行う厚生労働省所管の独立行政法人。正式名称は国立重度知的障害者総合施設のぞみの園。英語名はNational Center for Persons with Severe Intellectual Disabilities, Nozominosono。独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法(平成14年法律第167号)に基づいて2003年(平成15)設立。本部は群馬県高崎市寺尾町。
独立自活の生活が困難で長期間の保護・指導が必要とされる重度知的障害者について、その親が亡くなったあとに彼らが生活するための施設を求める動きにこたえ、1971年(昭和46)心身障害者福祉協会が発足、国立コロニー「のぞみの園」が開設された。2003年10月に同協会は解散し、独立行政法人化された。
おもな業務は以下のとおりである。(1)重度の知的障害者の自立に向けて総合的な支援を提供するための施設の設置・運営。(2)知的障害者の自立と社会経済活動への参加を促進するための効果的な支援の方法に関する調査、研究および情報提供。(3)障害者支援施設において、知的障害者の支援の業務に従事する者の養成および研修。(4)知的障害者の支援に関し、障害者支援施設の求めに応じての援助・助言、およびそれらの付帯事業。園内には寮や治療訓練棟、農場、牧場、野鳥の森などがあり、付置の診療所では入園者の治療のほかに地域の人たちに対する外来診療も行っている。2011年3月時点での資本金は151億8900万円、2011年1月時点での職員数は252人。
[編集部]