大学事典 「国立西南連合大学」の解説
国立西南連合大学[中国]
こくりつせいなんれんごうだいがく
1938年4月,前年に設置された国立長沙臨時大学(中国)を改称して雲南省昆明市に設立された中国の国立大学。1937年7月に勃発した盧溝橋事件以降日本軍が華北に進攻したため,北京大学,清華大学,南開大学を合併して湖南省長沙市に臨時大学を置いたが(1937年),戦線が南に拡大したことにより,さらに昆明市に移転して国立西南連合大学(中国)となった。三つの大学にあった学院・系を合併・調整して教育組織が整えられ,文・理・法商・工・師範の5学院(26系)を擁するまでに拡大されるとともに,各大学の大学院教育も再開された。運営面では一貫して学長が置かれず,3大学の学長と秘書主任から構成される常務委員会が校務全般に責任を負い,そのもとに大学の重要事項を審議する校務会議とすべての教授,副教授からなる教授会が置かれて「教授治校」が行われた。第2次世界大戦後,1946年に3大学がそれぞれ以前の所在地に戻ったのに伴い閉校となった。9年間で約3800人が卒業した。
著者: 南部広孝
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報