国軍運動(読み)こくぐんうんどう

山川 世界史小辞典 改訂新版 「国軍運動」の解説

国軍運動(MFA)(こくぐんうんどう)
Movimento das Forças Armadas

ポルトガル,1974年革命主力となった将校の運動。政府の少尉昇進短期化政策に対抗するために形成された「大尉運動」が,73年末に植民地戦争の終結全体主義的体制の打倒綱領とする「国軍運動」に発展。植民地戦争の英雄スピノラ将軍や参謀本部のコスタ・ゴメス将軍を担ぎ出して反体制運動を展開。74年4月25日にクーデタ遂行,ほぼ無血で革命を成功させる。革命後は急進的な左傾化のなかで分裂共産党と結びついた極左派が権力奪取に失敗し,76年の民政移管とともにその歴史的役割を終えた。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の国軍運動の言及

【ポルトガル】より

…しかし,1961年から始まったアフリカ植民地解放戦争は,国力増強のための急激な工業化とあいまって,国内の社会経済にさまざまのひずみをもたらしていた。軍部でも左翼思想に共鳴した中産市民層出身の将校が植民地戦争に疑問を抱き,1974年3月植民地戦争に反対する〈国軍運動〉を結成した。そして4月25日,かねてから植民地戦争に反対を唱えていたA.スピノラ将軍を擁立してクーデタを敢行し,半世紀に及ぶサラザール体制を倒壊させた。…

※「国軍運動」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android