国際的商慣習法(読み)こくさいてきしょうかんしゅうほう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国際的商慣習法」の意味・わかりやすい解説

国際的商慣習法
こくさいてきしょうかんしゅうほう

国際取引において妥当している慣習であって,国家法の強行法規に反しない限度で法的効力を認められる。商人間の法 (lex mericatoria) とも呼ばれる。取引に適用される国家法の統一は実現されておらず,また相異なる国家法の適用を定める国際私法も統一されていないため,国際取引法秩序は国内の法秩序に比べると不安的な状況にある。そのため,国際取引に従事する商人らが,国家の裁判所によらない紛争解決である仲裁などを通じて自主的に慣習法を形成してきたのである。慣習法も法である以上,それによるという当事者の合意を要しない。たとえば業界団体が標準契約約款を作成し,取引当事者がそれを個々の契約に取込むことがあるが,これは契約条項そのものであって,ここでいう慣習法ではない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android