日本大百科全書(ニッポニカ) 「土佐国群書類従」の意味・わかりやすい解説
土佐国群書類従
とさのくにぐんしょるいじゅう
吉村春峰(よしむらしゅんぽう)(通称嘉之助(かのすけ))の編纂(へんさん)した土佐(高知県)の史料叢書(そうしょ)。春峰は幕末維新期の庄屋(しょうや)・国学者・歴史家で、早くから土佐の古文書・古書の収集を行っていた。維新後高知県庁に出仕したが、1873年(明治6)上京し左院に仕えた。のち官を辞して、塙保己一(はなわほきいち)の『群書類従』にならい、土佐に関する旧記、家集、覚書の類を集め『土佐国群書類従』を編纂した。5巻以上のものを除き断簡零冊(れいさつ)を含む378の書を集め、160巻196冊とし、さらに『同拾遺(しゅうい)』65巻55冊を編んだ。神祇(じんぎ)、法度(はっと)など14部門に分かたれた史料集で、『南路志(なんろし)』(120巻、1813年成)以来の大叢書である。
[山本 大]