( ③について ) 和歌においては「後拾遺和歌集」に至って「神祇」が小部立として設けられ、「千載和歌集」では巻二十すべて、「新古今和歌集」では巻十九すべてが神祇歌にあてられる。以後十三代集のすべてに部立としてみえる。宗教信仰的な内容を詠ずるという点で、釈教歌と並ぶものであり、勅撰集の部立では両者がつねに並立される。ただし、連歌においては面十句に詠まないものとされる。
…中世の末に大きな力を持つようになった吉田神道は,その例であるが,日本の民族宗教の代表的なものとして吉田神道の教説に接したキリシタンの宣教師が,日本人の信仰をXinto(中世の神道家の中には濁音を嫌う人々が多く,神道の二字をシンドウではなくシントウと読むことが主張されていた)ということばでとらえたことに端を発して,神道の語は外国に知られることになった。しかし,明治時代に神道が国教化されると,国家の祭祀として宗教を超えたものと主張された神道は,大教,本教,古道,惟神道(かんながらのみち)などと呼ばれ,仏教やキリスト教と同列とされた教派神道諸派が神道の語で呼ばれたこともあって,日本固有の民族宗教をあらわすことばは多様なままに推移し,研究者の間でも神祇,神祇信仰ということばが用いられることが多かった。他方,西欧諸国の日本研究・紹介者の間では,Shinto,Shintoismの語が一般化したため,昭和に入り日本人の間でも,神道ということばが一般に用いられるようになり,日本固有の信仰の多様な性格を,古神道,神社神道,教派神道,民俗神道をはじめさまざまに分けて考えることも一般化した。…
※「神祇」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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