土湯村(読み)つちゆむら

日本歴史地名大系 「土湯村」の解説

土湯村
つちゆむら

[現在地名]福島市土湯温泉町つちゆおんせんまち

吾妻山系の内に位置。西端は一切経いつさいきよう(一九四八・八メートル)吾妻小富士あづまこふじ(一七〇四・六メートル)たか(一八〇四・八メートル)が北から南に連なり、さらに南方の土湯峠を境に会津側の耶麻郡に接する。土湯峠の南も同様の火山群で安達太良連山で安達郡と接し、その東端裾野信夫しのぶ水原みずはら村に至る。東鴉ひがしからす川・西鴉川を合流した荒川が当村東端の山麓に下ったところに荒井あらい村がある。また北側は吾妻小富士の山頂から荒川の支流しおノ川、さらに塩ノ川を合流した荒川流域の山麓にかけて佐原さばら村に接する。福島街道が通り、当村の中心居住地域は荒川に東西両鴉川が合流する辺りの深い谷、標高五〇〇メートル地点の温泉湧出地に集中する。

村名は大国主神が鉾で土を突いたところ湯が湧き出たため突湯と称し、のち土湯になったとの伝承がある。また往古吾妻山の谷地平に白鳳寺と称する寺院があり、山麓の土湯には西海子坊・松之坊・桂之坊・卒都坊・婆榧之坊・柿之坊が存在したと伝える(信達二郡村誌)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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