化学辞典 第2版 「圧力温度計」の解説
圧力温度計
アツリョクオンドケイ
pressure thermometer
気体,液体などの圧力が温度によって変化することを利用した温度計.温度の変化に伴って圧力の変化するものであればよい.液体充満式のもの,飽和蒸気圧を利用するもの,気体を使用するものの3種類がある.液体充満式はブルドン管圧力計に丈夫な容器を接続し,液体を充満したもの.液体としては水銀あるいは有機液体が用いられる.水銀を満たしたものは,通常,-30 ℃ から600 ℃ までの温度範囲の工業計器として使用されている.アルコールを満たしたものは200 ℃ 以下,アニリンを満たしたものは400 ℃ 以下に利用される.蒸気圧を利用するものにはトルエン,キシレンなどを用いて350 ℃ くらいまでの温度を測れるものもあるが,二酸化炭素,エタン,メタン,ネオン,水素,ヘリウムなどを用いる低温用のものが多い.精密温度計として使用されることが多いので,圧力計にはもっぱら水銀U字管が用いられる.気体の圧力変化を利用するものは定容気体温度計である.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報