日本大百科全書(ニッポニカ) 「ネオン」の意味・わかりやすい解説
ネオン
ねおん
neon
周期表第18族に属し、希ガス元素(貴ガス元素)の一つ。原子番号10、元素記号Ne。1898年イギリスのW・ラムゼーらが液体空気の分留の過程でクリプトンに続いて発見し、新しい気体元素の意から、ギリシア語で「新しい」を意味するネオンneonに由来して命名した。乾燥大気中には容量で約1.8ppm含まれている。希ガス元素中ではヘリウムに次いで沸点・融点が低く、空気液化後の残存気体から加圧冷却、吸着などの操作によって精製される。
低圧気体での放電によって赤色の輝線スペクトルを発し、他の希ガス気体あるいは水銀蒸気などとの混合気体での放電によってさまざまな色調の発光を示す。ネオンサイン、放電管、溶接保護ガスなどに利用される。
[岩本振武]