ネオン(読み)ねおん(英語表記)neon

翻訳|neon

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ネオン」の意味・わかりやすい解説

ネオン
ねおん
neon

周期表第18族に属し、希ガス元素(貴ガス元素)の一つ。原子番号10、元素記号Ne。1898年イギリスのW・ラムゼーらが液体空気の分留の過程でクリプトンに続いて発見し、新しい気体元素の意から、ギリシア語で「新しい」を意味するネオンneonに由来して命名した。乾燥大気中には容量で約1.8ppm含まれている。希ガス元素中ではヘリウムに次いで沸点融点が低く、空気液化後の残存気体から加圧冷却吸着などの操作によって精製される。

 低圧気体での放電によって赤色輝線スペクトルを発し、他の希ガス気体あるいは水銀蒸気などとの混合気体での放電によってさまざまな色調発光を示す。ネオンサイン放電管、溶接保護ガスなどに利用される。

[岩本振武]



ネオン(データノート)
ねおんでーたのーと

ネオン
 元素記号  Ne
 原子番号  10
 原子量   20.1797
 融点    -248.67℃
 沸点    -246.048℃
 密度    気体 0.9002g/dm3(0℃,1気圧)
 比重    液体 1.207(-246℃)
 結晶系   固体 立方
 溶解度   1.47mL/100mL(水20℃)
 臨界温度  -228.7℃
 臨界圧   28.86気圧
 元素存在度 宇宙 2.36×106(第6位)
          (Si106個当りの原子数)
       海水 0.12μg/dm3

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ネオン」の意味・わかりやすい解説

ネオン
neon

元素記号 Ne ,原子番号 10,原子量 20.1797。周期表 18族,希ガス元素の1つ。大気中に 0.00182%含まれ,液体空気の分留によって得られる。 1898年 W.ラムゼーと M.トラバースの協力により,クリプトン,キセノンとともに発見された。単体は無色,無臭の単原子気体で,沸点-245.9℃,臨界温度-228.7℃,臨界圧 28.86気圧。化学的にきわめて安定。ガイスラー管で容易に放電し,赤色の輝線スペクトルを発するので,ネオン管用に広く使われている。

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