日本大百科全書(ニッポニカ) 「エタン」の意味・わかりやすい解説
エタン
えたん
ethane
天然ガスおよび原油の蒸留によって得られるガス中に存在する。引火性、爆発性があるが化学反応性には乏しい。空気中での爆発限界は3.2~12.5容積%である。700~900℃で熱分解するとエチレンと水素を生成する。さらに高温ではアセチレンを生じる。エチレンの原料として石油化学製品の製造に用いられるほか、クロロエチレンなどのハロゲン化合物の製造や燃料としての用途がある。高濃度では麻酔作用がある。エタンの製造はエチレンやアセチレンを、触媒を用いて接触的水素化を行うか、ハロゲン化エチルを還元するが、純粋なエタンの用途は少ない。
[佐藤武雄・廣田 穰]
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