最新 地学事典 「地中海赤色土」の解説
ちちゅうかいせきしょくど
地中海赤色土
Red Mediterranean soils
地中海性気候下に分布する赤色の強い成帯性土壌。赤色地中海性土,地中海性赤色土とも。母材のいかんを問わず,赤色の強い土壌を地中海赤色土とする場合と,珪酸塩岩母材のものを地中海赤色土,炭酸塩岩母材のものをテラロッサと区別する場合とがある。世界的に地中海性気候は,地中海沿岸・カルフォルニア・オーストラリア南部・チリ等に分布するが,3ヵ月以上に及ぶ高温で乾燥した夏と,温暖な冬季に年降水量のほとんどがもたらされる気候を繰り返すことで,効果的に赤色化作用が促進される。乾燥した夏に水和酸化鉄が脱水して酸化鉄となり,湿潤な冬季に粘土の機械的な移動が行われる。塩基の溶脱は弱く,塩基飽和度は35%以上を示し,反応は弱酸性~弱アルカリ性。より湿潤な地中海性気候下では,B層位は褐色を呈し,地中海褐色土が分布。より乾燥した地中海性気候下では,土壌中の水分が上方に移動する期間が長く,土壌断面中に炭酸カルシウムが析出した肉桂色土が分布する。
執筆者:漆原 和子
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

