いかん

精選版 日本国語大辞典 「いかん」の意味・読み・例文・類語

いか‐・ん

連語〙 (動詞「いく」に打消の助動詞「ぬ」から転じた「ん」の付いたもの)
① (多く「…訳にいかん」の形で) 物事がうまく運ばない意から、不可能を表わす。できない。いかない。
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉一〇「あんまり口を出す訳にもいかんし」
② よくない。いけない。
(イ) (上に確定的表現が来る場合) 望みがない。だめである。感動詞のように用いることもある。
※雑俳・柳多留拾遺(1801)巻一三「いかん事とはのとどのがいひはじめ」
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉二「是れが英国だと君一人位どうでもなるんだが、日本だからいかん」
(ロ) (上に仮定的表現が来る場合) 禁止忠告気持がこめられる。
※当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉九「あんまり熱くしちゃアいかんぞ」

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デジタル大辞泉 「いかん」の意味・読み・例文・類語

いか◦ん

[連語]《動詞「い(行)く」の未然形に打消しの助動詞「ぬ」の付いた「いかぬ」の音変化》
ある動作が不可能であることを表す。できない。いかない。いかぬ。「無理に行くなと言うわけにも―◦ん」
禁止・非難の意を表す。だめだ。いかぬ。いけない。「そんなことをしては―◦ん」
望みがないの意を表す。いけない。「もう―◦ん、おしまいだ」
[類語](2いけないけしからん禁物駄目不可良からぬ悪い

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「いかん」の読み・字形・画数・意味

何】いかん

なぜ。どうして。〔書、召誥〕嗚呼(ああ)、曷(なん)ぞ其れ、何ぞ(つつし)まざる。天、に大殷の命を遐(かしう)(終結)す。

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】いかん

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渙】いかん

波光

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【甚】いかん

どんな。

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【胃】いかん

胃袋

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