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地代論争(読み)ちだいろんそう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

地代論争
ちだいろんそう

K.マルクスの地代論に関してソ連および日本において展開された論争。ソ連においては,十月革命後に行われた土地国有化のもとにおける絶対地代の消滅をめぐる論争や農業集団化開始期に富農経営の差額地代に関する L.リュビモフや K.オストロビチャノフなどの論争が有名である。日本においては,昭和初頭に差額地代に関する土方成美高田保馬 (たかたやすま) らのマルクス批判家と向坂逸郎山田勝次郎らのマルクス擁護者の間の論争として始り,その後差額地代に転化する剰余価値の源泉をめぐって,マルクス擁護者間の論争に発展した。その代表的な見解に,差額地代は社会全体の剰余価値の一部が流通機構を媒介に農業に流入したものとする向坂逸郎らの流通説と,差額地代は農業部門で生産された剰余価値が転化したものとする山田勝次郎らの生産説があり,第2次世界大戦後もこの2つの対極的見解を軸に論争が続けられている。

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