地代論(読み)ちだいろん(英語表記)theory of rent; die Rententheorie

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「地代論」の解説

地代論
ちだいろん
theory of rent; die Rententheorie

地代が何によって決定されるかについての理論。初めて地代を流通からではなく生産から導き出したのは F.ケネーに代表される重農学派である。その後 J.アンダーソンは,地代は生産価格をこえる市場価格の超過分に等しいとし,地代の源泉が土地間での相対的生産性の差異であること,つまり差額地代の源泉を明らかにした。 A.スミスは,賃金や利潤の高低は価格の高低の原因であるが,地代の高低はその結果であるとしたが,これを継承して,古典派地代論を完成したのは D.リカードである。彼は差額地代を土地の肥沃度と位置の差異,優等地の有限性および土地収穫逓減の法則に求め,農産物の交換価値は最劣等地 (または最劣等投資) に投下された労働量によって規定されるため,優等地においてその個別的価値をこえる価格の超過分が生じ,これが差額地代となるとした。しかしこの場合,最劣等地 (最劣等投資) には地代は生じないことになる。これに対し絶対地代論を展開したのは J.K.ロートベルトゥスである。彼は農業においては原料部分が欠如しているため,そこでの利潤率が一般的利潤率よりも高くなるので,平均利潤を差引いてもなお若干の余剰利潤が残ると説明し,最劣等地にも発生する絶対地代を認めた。これらをふまえて地代論を完成したのは K.マルクスである。マルクスは,差額地代,絶対地代ともに,価値概念を基礎とし,生産価格,市場価値との内的関連において明確に規定した。

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