地形等高線照合技術(読み)ちけいとうこうせんしょうごうぎじゅつ(その他表記)terrain contour matching technique; TERCOM

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「地形等高線照合技術」の意味・わかりやすい解説

地形等高線照合技術
ちけいとうこうせんしょうごうぎじゅつ
terrain contour matching technique; TERCOM

TERCOMはターコムと読む。目標への経路上の地形を,多数の正方形のます目で区切り,それぞれの高度をミサイル搭載コンピュータに記憶させておき,飛行中電波高度計で測定した高度と照合しつつ現在位置を割り出し,慣性誘導装置の誤差を修正していき,目標にピンポイントで到達させる技術。原理上,洋上や平原では使いにくいが,精度がよく,敵の妨害も受けにくい。アメリカの巡航ミサイルトマホークに,慣性誘導との複合誘導として採用されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の地形等高線照合技術の言及

【ミサイル】より

…しかし,その後技術の進歩に伴い70年代中ごろから新しい巡航ミサイルの可能性が生じた。すなわち,推進用エンジンとして小型・軽量のターボファンエンジンが出現し,低空を低速で飛行しても燃料消費が少ないため,小型・軽量で長射程の巡航ミサイルが可能になったこと,電波高度計と操縦装置をコンピューターを介して連結することにより,超低空を飛行できるようになり,相手に発見されにくくなったこと,長時間飛行中に慣性誘導装置に生ずる誤差を,後述する地形等高線照合技術terrain contour matching(略号TERCOM(ターカム))等の誘導技術の採用により補正し,弾着精度を画期的に向上できるようになったこと,などによる。アメリカではこれらの技術を用いた空中発射巡航ミサイルを搭載したB52戦略爆撃機を82年末から実戦配備し,83年末には地上から発射する地上目標攻撃用〈トマホーク〉巡航ミサイルの配備を開始し,引き続き水上艦,潜水艦搭載用〈トマホーク〉の配備を進めた。…

※「地形等高線照合技術」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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