日本大百科全書(ニッポニカ) 「地球年代学」の意味・わかりやすい解説
地球年代学
ちきゅうねんだいがく
geochronology
地球史におけるさまざまなできごとの年代を明らかにする学問分野。隕石(いんせき)などを用いて、太陽系惑星の一つとしての地球の生成年代をも研究する分野である。
地球年代学のうち、地球が生成し岩石が出現してから以降の年代研究の分野をとくに地質年代学とよんでいる。地質年代学は大別して次の二つの分野から構成される。
(1)化石などを基にした生物の変遷や地層の層序関係などから、地質現象の前後関係や同時代性などを検討するもので、これによって相対的な新旧関係が得られる。
(2)各種の放射年代測定法などを駆使して、地質現象の年代を具体的な数値として求めるもの。
実際の年代研究においては、上記の2分野の成果や地球磁場の極性の転換の歴史などを複合し、より詳細な年代関係を明らかにすることが目ざされている。
[角井朝昭]
『兼岡一郎著『年代測定概論』(1998・東京大学出版会)』