坊中町(読み)ぼうちゆうまち

日本歴史地名大系 「坊中町」の解説

坊中町
ぼうちゆうまち

[現在地名]阿蘇町黒川くろかわ

黒川村のうち、阿蘇山麓の西巌殿さいがんでん寺のあるところを坊中という。「国誌」に「慶長年中再興ノ時山下黒川村ニ里坊構営シテ在住ス、則今ノ坊中ナリ」とある。慶長四年(一五九九)加藤清正は阿蘇社の再興と黒川村に坊舎を再興する判物を出している(西巌殿寺文書)。江戸期を通じてお池(阿蘇山)まいりの拠点として栄えた。幕末頃のものと推定される麓坊中絵図には山上道の左右に整然と坊舎がみられ、三ヵ所に惣門があった。慶応四年(一八六八)神仏分離が行われ、さらに明治五年(一八七二)の修験道廃止令により、西巌殿寺の各坊は寺領の返還を行い廃寺となり、山伏は還俗した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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