デジタル大辞泉
「埋む」の意味・読み・例文・類語
うず・む〔うづむ〕【▽埋む】
[動マ五(四)]
1 うずめる。うめる。
「(煙草盆ニ)火が―・んであって」〈梶井・城のある町にて〉
「山はくづれて河を―・み」〈方丈記〉
2 気をめいらせる。物思いに沈ませる。
「思ひやるながめも今は絶えぬとや心を―・む夕暮れの雲」〈夫木・三六〉
[動マ下二]「うずめる」の文語形。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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うず・むうづむ【埋】
- [ 1 ] 〘 他動詞 マ行四段活用 〙
- [ 一 ] 下に物を入れ、その上を覆って盛り上げる。
- ① 物の一部、または全部を土や灰の中などに入れ込んで外から見えなくする。また、埋葬する。
- [初出の実例]「螯足蘆灰は方輿に堙(ウツミ)て円蓋を輔(たす)け」(出典:大唐三蔵玄奘法師表啓平安初期点(850頃))
- 「火取に火深ううづみて」(出典:枕草子(10C終)一九三)
- ② いっぱい積み重なって下のものを覆い隠す。
- [初出の実例]「ちる花は道見えぬまでうつまなん別るる人も立ちやとまると〈よみ人しらず〉」(出典:拾遺和歌集(1005‐07頃か)別・三〇三)
- 「白雲跡を埋んでゆき来の道もさだかならず」(出典:平家物語(13C前)三)
- ③ 低い所やくぼんだ所などに物を詰めてふさぐ。
- [初出の実例]「山はくづれて河をうづみ」(出典:方丈記(1212))
- [ 二 ] [ 一 ]の比喩的用法。
- ① 元気をなくさせる。物思いに沈ませる。
- [初出の実例]「思ひやるながめも今は絶えねとや心をうづむ夕暮の雲」(出典:壬二集(1237‐45))
- ② (名前などが)世に現われないようにする。
- [初出の実例]「ダウニ ホネヲウヅメドモ、ナヲバ vzzumanu(ウヅマヌ)」(出典:日葡辞書(1603‐04))
- ③ 人や物を人目に付かないようにする。隠す。かくまう。また、自分の身を隠す。
- [初出の実例]「今〈略〉吾妻が駈落の様子を聞いた。定めてわれが埋んだぢゃあろ。マア其埋んだ所を聞かうわい」(出典:浄瑠璃・双蝶蝶曲輪日記(1749)四)
- [ 2 ] 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙 ( マ行四段から転じて、室町時代頃から使われた ) ⇒うずめる(埋)
埋むの語誌
「うずむ・うずめる」の基本的な意味は、「物の上に土など盛り上げて覆う」ことであり、これに対し、「うむ・うめる」のほうは「くぼみなどに物をつめてふさぐ、また、物を土などの中に入れ込む」ことである。中にある物は、「うずむ」「うむ」どちらの場合でも隠れて見えなくなるところから、同じような意味に用いられるようになったと思われる。「うずむ[ 一 ][ 一 ]②」の意、「うずめる②」の意、「うめる③⑤」の意は、それぞれの特色を表わしている。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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